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楽しくて、やがてさびしき同窓会

お盆の間、山口に帰省。




中学生の同窓会があった。

10年前にも同窓会があり、そのときも、もう次は出ないぞと決めていたのだが、

10年が経過し、そのほとぼりが冷めたというか、また今回も参加してしまった。

なにより50歳になったということで、みんなどういう50歳になっているのかという単純な興味もあって、参加することにしたわけだが、今回もなんだか複雑な感情が自分の中にわき上がってきて、どうにもやりきれなかった。

さて、50歳だけれど、みんな若い。驚くほど若い。

そして、この世代は煙草を吸う。

けっこうな比率で煙草を吸う。なかには、家では禁煙していることになっているが、ここでは吸うのだという男がいた。



あこがれていたというか、中学生の頃に好きだった女性も何人かいて、みんな素敵な人になっていて、それはそれで楽しい。

男のほうも時空を超えて、話ができる。ふざけて回し蹴りをいれたくなるような奴もいたりで、おかしくなる。大人だから実際はしないけれど。



ショックだったのは、何人かまったく覚えていない人間がいたことだ。たいていはわかると思っていたのだが…。

相手は覚えていなくてもこちらはわかるという自信があったのだけれど。。。








3次会まで行き、辞した。

歩いて帰る。それにしても暗い道だ。ファミリーマートがあったので、水を買う。東京のファミリーマートではSuicaが使えるが、こちらは対応していなかった。

1人で歩きながら、忘れていた人たちのことをいっきに思い出した。ああ、あいつはそうだ、あいつで、こいつはこいつという具合にわき上がってきて、どうでもいい記憶までもが、いっきに自分の中にあふれてきて、

帰宅してもなかなか眠れなかった。



翌日の午前中、桑の山八幡まで歩き、田園地帯を一人で散歩する。








妻は昨日、一足先に帰京している。お昼を食べた後、甥っ子などに別れを告げ、

歩いて防府駅へ向かう。

新山口駅までの切符を買い、ホームへの階段をのぼるとき、下りの電車がきたが、まあ次でいいやと思ってホームへ行くと、なんと次の電車は一時間後だ。しまった、東京と同じつもりでいたら、とんでもないことだった。

改札を出て、しばらく散歩することにした。

駅前の書店を巡ろうかと思ったが、すでになにもなくなっていた。

踏切の先にあった、昔アラーキーの写真集を立ち読みした松谷書店も今はない。鉄道が高架になって、踏切さえなくなっている。

藤井書店も防府書房もない。せいぶん堂(どういう字か忘れてしまった)はずいぶん前からなくなっていたが…。唯一「福島書店」は看板が掲げてあったが、これもお盆でお休みか。とにかく中学校、高校生のときに毎日通った書店はすでにほとんどがなくなっていた。

一時間近く歩いて、再び防府駅。

新山口の通路に氷柱があった。珍しいのでカメラを向ける。




たぶんもっと長かったのだろう氷の柱が短くなっている。自分の人生のような気がした。もう残りがわずかしかない。

新幹線にて帰京。車中、山田風太郎の「戦中派不戦日記」を読了。








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